冬は動物にとってとても厳しい季節です。寒くなると、人間も「動きたくない!」と思うことが多いですよね。
蟻も冬は過酷で、冬眠するという話を聞いたことがある人もいるでしょう。もし蟻が冬眠するなら、今の時期が駆除の良いタイミングだと考えられますが、実際にはどうなのでしょうか?
この記事では、冬の蟻について詳しく説明します。
蟻は冬眠するのか?
蟻は冬眠するのでしょうか?
蟻は周りの温度に合わせて体温が変わる生き物です。寒い冬になると体温が下がり、動けなくなります。この動けない時間が、蟻の冬眠と考えられます。
冬に備えて、蟻は脂肪をため込んで餌を食べずにじっと過ごします。しかし、非常に寒い場所では凍えてしまうため、巣の奥で集まって冬を越す種類もいます。
冬に見かける蟻はどんな種類?
寒い冬でも元気に動いている蟻を見たことがありますか?「寒い冬には動けないから蟻は冬眠する」と言われているのに、どうして動いているのでしょうか?実は、寒さに強い蟻もいるのです。
たとえば、最近ニュースで話題になった『アルゼンチンアリ』は、冬眠せずに冬でも活発に動き回ります。この蟻は特定外来生物に指定されている害虫なので、冬に元気な蟻を見かけたら、駆除を考えた方が良いかもしれません。
蟻が冬眠している時期は駆除のチャンス?
「冬眠している蟻を今のうちに駆除できる」と考える人も多いでしょう。
しかし、実際には蟻の種類によっては、巣の奥で寄り添って眠ったり、冬の間は餌を食べずに過ごしたりするため、駆除が難しい時期とも言えます。
巣の奥で集まっているため、外から薬剤を散布しても奥には届かず、効果が薄れてしまいます。また、餌を食べていないので、毒餌の効果も期待できません。
つまり、活動的な季節の方が毒餌を巣の奥に運んだり、巣全体に毒を広げたりできるため、冬は蟻駆除にはあまり向いていないかもしれません。
冬の蟻の駆除・予防法
ここでは、冬の蟻を駆除する方法を見ていきましょう。
具体的な駆除方法
最近、冬でも自宅に蟻がやってくることが増えていますが、市販のアイテムを使うことで個人でも対処可能です。主な駆除方法は以下の通りです。
毒エサを仕掛ける
毒エサは巣にいる蟻をまとめて駆除するのに効果的です。蟻が出てくる場所に置いておけば、蟻がそれを巣に運んでくれます。持ち帰った毒エサを食べた蟻は次々と死んでいきます。
ただし、イエヒメアリのように小さい蟻の場合、そのままでは持ち帰れないことがあります。この場合は、毒エサを小さく砕いておくと良いでしょう。
それでも持ち帰らない場合は、砕いた毒エサを砂糖水に混ぜたり、他の食べ物と一緒に置いたりすると、蟻をおびき寄せやすくなります。
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スプレータイプの駆除剤を使う
エアゾールタイプの殺虫剤を噴射する方法も有効です。手軽に使用でき、短時間で蟻を退治できます。
ただし、この方法はその場にいる蟻にしか効果がないため、巣の中にいる女王アリなどには効かないことに注意が必要です。見つけた蟻をすぐに退治したいときに便利です。
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冬の蟻の予防方法
ここからは、冬の蟻の予防方法を見ていきましょう。
具体的な予防方法
冬の蟻被害を防ぐためには、普段から蟻が寄り付かない環境を作ることが重要です。具体的な対策は以下の通りです。
蟻を寄せ付けない環境にする
キッチンやリビングに食べ物を放置していませんか?蟻は匂いを嗅ぎつけて侵入します。雑食の蟻は甘いものだけでなく、肉や魚、乳製品なども食べるため、すべて冷蔵庫に保管しましょう。特に匂いの強いものは密閉容器に入れるのが効果的です。
蟻が侵入したら床を拭く
蟻は通った場所にフェロモンを残します。このため、床を拭くことで蟻の通り道を消すことができます。
蟻が嫌がる香りを使う
忌避剤には蟻が嫌う香りや成分が含まれており、蟻が寄り付きにくくなります。家の周りに忌避剤を撒くことで侵入を防げます。
また、蟻が嫌う成分を含んでいる香りをを利用するのも効果的です。
蟻が嫌う香り
ここでは、蟻が嫌う香りについて見ていきましょう。
コーヒー
コーヒーのカフェインの香りは多くの虫が苦手です。また、コーヒーには脱臭効果もあるので、玄関などに置いておくと良いかもしれません。
レモンやライムなどの柑橘系の香り
レモンやライムの香りを嫌がる虫もたくさんいます。これらの香りは芳香剤としてもよく使われているため、手軽に試すことができます。
ミントやラベンダーなどのハーブ
ミントやラベンダーは、昔から虫よけに効果があるとされています。
ただし、ペットを飼っている家庭では注意が必要です。これらの香りがペットにとって有害な場合もあるので、使用前にしっかり調べることが大切です。
酢
酢の強い匂いは蟻が苦手です。酢の香りが気にならないのであれば、蟻が通りそうな場所を拭くことで、蟻が近づきにくくなります。
蟻がいない間にさまざまな対策を行い、冬眠から目覚めた蟻をしっかりと駆除しましょう。
まとめ
蟻が冬眠するという話を聞くと、多くの人はイソップ物語の「アリとキリギリス」を思い出すかもしれません。この物語では、蟻が冬に備えて一生懸命食べ物を巣に運ぶ様子が描かれています。しかし実際には、冬の間に餌を食べない蟻が多いのです。冬眠に備えて餌を蓄えている時期に毒餌を設置するか、冬眠が終わった後に設置するのが効果的です。
ただし、冬でも元気に動いている蟻がいる場合は、外来種の可能性がありますので、専門の駆除業者に依頼することをお勧めします。